今週の 『ゲゲゲの女房』は、水木先生がスランプに陥り、それから脱出する話です。原案本にもある内容ですが、現役の水木先生の苦難をこれほど具体的に、事実通り、ドラマに取り上げるとは思いませんでした。
今日金曜日の段階で、スランプを脱出するきっかけをつかみましたので、明日土曜日には何らかのいい方向へ話が進むことと思います。
ところで、クリエーティブな仕事に関わっている場合、スランプがあるようです。手塚治虫先生にもスランプがあったと何かの本で読んだことがあります。今日 『ゲゲゲの女房』を観て、スランプの正体は何なのかと考えさせられました。
脚本家・山本むつみさんは、向井さん演じる水木茂に次のようなセリフを用意しました。
「漫画が受けるか、受けられんか、俺も点数レースに追われとったわ。拍手の多い方に顔を向けとるうちに、妖怪を見失ったのかもしれん」と。
仕事で漫画を書いている以上、売れて利益を生み出すことを求められます。しかし、売れた作品がすべて作者にとって心の底から満足のいくものであるとは限らないでしょう。不本意だが売れたから良しとしよう、ということも。
クリエーティブな仕事に関わっている人は基本的には自分がいいと思っているものを作り出しているだけで、人に受けることを第一に考えていては務まらないのではないかと思います。
「拍手の多い方に顔を向け」続けている間に、それ以前に自身がどちらを向いていたのか、わからなくなる状態・・・これがスランプであるとクリエーター・山本むつみさんは教えてくれているのではないかと思いました。
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